
この映画のヒュー・グラントは2001年の[ブリジット・ジョーンズの日記]の超笑いものにされるヒューとも、2004年の[ラブ・アクチュアリー]の超格好良いヒューとも違っていた。彼はコミカルな演技なしで、頭も心も[空っぽ]の金持ち独身男の哀れさを演じたのである。公式サイト
つまらない男の悲哀を聞かされても、それはアンタのせいでしょ、と反応してしまうが、もったいないほど素敵な男の悲哀には同情してしまった。
この映画のよさはまず、ニック・ホーンビーの原作のよさである。ブリジの日記のようなパターンで書いたのはニックのほうがヘレン・フィールディングより早いという。
ニック・ホーンビーの前作[ハイ・フィデリティ](2000年)はアメリカを舞台にしているが、主人公が観客に話しかけるというパターンは同じだという。ビデオ屋には置いてないところばかり。本で読んでもいいな、と思う。
さて、キャストだが、マーカス少年は自然な演技をするブスの男の子である。よくこういう一風変わった子を見つけてきたものだ。この男の子が恋するのは背の高い音楽の上手な女番長のような子。これが黒人なのである。
そこで思い出したのだが、[ラブ・アクチュアリー]でも背の小さい少年が恋するのはふたまわりぐらい大きく堂々とした黒人の女の子だった。監督は違うが、好みが同じなのだろうか。
この映画でも音楽が小道具として使われていた。[ラブ・アクチュアリー]ではマライア・キャリーの"What I Want For Christmas Is You"が学校の講堂で歌われた。ちょっと前に流行った音楽である。
しかし、[アバウト・ア・ボーイ]では母親の好きな”Killing Me Softly With His Song"が歌われ、ロバータ・フラックの威光などまるで知らない生徒達が大笑いするのだ。これには傷ついた。だって私の愛唱歌なんだもの。 2005-3-18
【外国映画 2003の最新記事】

