
ジェイン・オースティンの作品の映画を見てきて、最後に借りてきたのがこの[ノーサンガー・アベイ]だった。発行順に見たせいもあるが、Wikipediaでは[ノーサンガー僧院]となっていたので辛気臭いかなあ、と思ったのだった。しかし舞台は僧院ではなかった。昔、僧院だったところに建てられた屋敷の名前なのである。映画のほうは[ノーサンガー・アベイ]となっていて紛らわしくない。
最後の作品というが、実は、いちばん初めに書いた作品を発行するために書き直したものだった。
ジェインは[センス・アンド・センシビリティ][プライドと偏見]などを匿名で出版したのち、この最初の原稿を書き直して出版社に10ポンドで売ったが、4つのベストセラーの作者とは知らずに、出版社はジェインの兄に同額で転売しまうのである。
物語は田舎で育ったキャサリンが金持の伯父伯母に連れられてバース(当時の歓楽地)に来て恋をするといういつもの代わり映えのしない話だが、面白かった。
実は、ジェインの父(オックスフォード出の牧師)は息子に教区を譲って一家でバースに出てきたので、これも実際に見聞きした世界の話なのである。
ジェイン26歳のころで、本を読んで空想することと書くことが大好きな主人公キャサリンはジェイン自身だ。
そして、調べてみると、ジェインの初めての恋(そして最後らしい)はこの夏にバースの近くのデヴォンシャーに行ったときであった。
実体験に基づいた話は心に迫る。それが他のちょっとよそよそしい貴族のお話と違う点だろう。この初々しい感情の溢れる作品はジェインの作品の中で私の一番のお気に入りになった。
ジェイン・オースティンから外れるが、彼女のイメージはアガサ・クリスティと重なる。アガサの新婚旅行は同じ西南海岸のトーキーだった。(滞在した部屋にはアガサ・クリスティーの名札がかかっていた。)
[プライドと偏見]
http://eigadaisuki.seesaa.net/article/81419898.html
[マンスフィールド・パーク]
http://eigadaisuki.seesaa.net/article/112905083.html
[エマ]
http://eigadaisuki.seesaa.net/article/112934519.html
[ジェイン・オースティンの読書会]
http://eigadaisuki.seesaa.net/article/110869724.html
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